2025年新年の御書は「十字御書」の一節です。
このページでは、御文の拝読音声や、文字サイズを大きくした本文・通解のPDFデータなどを掲載しています。
御文
今、正月の始めに法華経をくようしまいらせんとおぼしめす御心は、木より花のさき、池より蓮のつぼみ、雪山のせんだんのひらけ、月の始めて出ずるなるべし。
今、日本国の、法華経をかたきとして、わざわいを千里の外よりまねき出だせり。これをもっておもうに、今また法華経を信ずる人は、さいわいを万里の外よりあつむべし。
通解
今、正月の初めに法華経を供養しようと思われるお心は、木から花が咲き、池から蓮のつぼみが出て、雪山の栴檀の双葉が開き、月が初めて出るようなものであろう。
今、日本の国は法華経を敵として、禍を千里の外から招き出している。このことから考えてみると、今また、法華経を信ずる人は、幸いを万里の外から集めることであろう。
拝読のために
強盛な信心で自他共の幸福の花を
本抄は弘安4年(1281年)1月5日、日蓮大聖人が60歳の時に身延で著されました。駿河国(静岡県中央部)の石河能助の妻が、正月を祝い、蒸し餅100枚と果物1籠を供養したことへの御返事です。
正月一日を妙法で祝う人は、功徳が勝り、人にも愛されるようになる――大聖人は門下の「信心の志」をたたえつつ、“幸福とは、ほかのどこかではなく、自らの生命の中に厳然とある。絶対的幸福境涯である「仏界」が誰人にも具わっている”と大激励されます。
そして、木から花が咲き、泥の池からハスのつぼみが出て、雪山の大地から香ばしい栴檀が生え、空に月が出るように、どのような厳しい状況であっても、妙法を信じる人は、無量の福徳を「万里の外」から集めることができると教えられるのです。
池田先生は語っています。
「人類が大仏法を求め始めた不思議なる、この時この一年――。
わが人生も、わが地域も、『賢者はよろこび』と不屈の挑戦を! 我らの頼もしき男女青年部を先頭に、いよいよの『勇猛精進』を! そして、日本中、世界中の宝の友と一緒に、『仏法は勝負なり』と偉大なる実証を未来へ勝ち光らせていこうではありませんか!(中略)
さあ、共々に『さいわいを万里の外よりあつむ』一年を、仲良く楽しく飾りゆこう!」※
さあ、強盛な信力・行力で、偉大な仏力・法力を湧き出し、「世界青年学会 飛翔の年」を勢いよく出発してまいりましょう。
※2019年の新年勤行会へのメッセージから
【語句の解説】 十字
「十字」と書いて「むしもち」と読むのは、蒸して作る餅の表面に十字の切れ込みを入れたからである。本抄の冒頭に、「十字一百まい」の供養があったことが記されている。
今を生きるあなたに ~日蓮大聖人のことば~
「さいわいは心よりいでて我をかざる」
自ら筆をとり、多くの門下に手紙を書き送られた日蓮大聖人。
希望と励ましに満ちた手紙の中から、今を生きるあなたに届けたい「日蓮大聖人のことば」を紹介します。
語り手は、女優の岸本加世子さんです。