「冬は必ず春となる」~苦難は必ず乗り越えられる~
日蓮大聖人ほど、門下にお手紙を書き送られた宗祖はいないといわれます。その数は群を抜いており、“これほどの文書が伝えられる歴史上の人物はいない”と評価する学者もいるほどです。
さまざまな苦悩と戦う門下一人一人への手紙の中から、次の御文(お手紙の一節)を紹介します。
|御文
「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」
〈妙一尼御前御消息 御書1253ページ〉
|意味
法華経を信じる人は冬のようなものである。冬は必ず春となる。
この御文は、日蓮大聖人が妙一尼という、1人のお母さんをはげまされたお手紙です。
妙一尼は、苦難の中で夫を亡くし、1人で子どもたちを必死に育てながら、純粋な信心をつらぬいていました。
大聖人は、大変な状況で信心に励む妙一尼を、「厳しい冬も、やがて暖かな春となるように、この仏法を信じているあなたは、必ず苦難を乗り越えることができますよ」と励まされています。
人生には、暖かな春のように幸せなときもあれば、冬のように、つらく苦しいときもあります。
でも、どんなに苦しい冬の日々が続いても、負けなければ必ず春はやってくる。
冬が秋に逆戻りすることは絶対にないし、冬がずっと冬のままでいることも絶対にない。
同じように、この信心をしている人は、どんなに苦しく、つらいことがあっても、必ず乗り越えていくことができると教えられています。
厳しい寒さを乗り越えて、美しい花を咲かせる桜の木。私たちも同じです!
苦しいことや悩みがあるからこそ、それを乗り越えることで、もっと強い自分になることができる。
もっと大きい自分の花を咲かせていく事ができます!
だから、実は、壁にぶつかったときこそが、大きな成長のチャンス!
〝負けないぞ!〟と強い心で、勇気を出して挑戦すれば、どんな苦労も全部、自分を育ててくれる力になっていきます。