「一念三千(いちねんさんぜん)」ってどういう意味?
「一念三千」は、私たち凡夫が成仏するための原理を示した変革の法理です。中国の天台大師(智顗)が、『摩訶止観』の中で説きました。
「一念」とは、私たち一人ひとりの瞬間瞬間の生命のことです。「三千」とは、「諸法」すなわち、すべてのものごと、あらゆる現象・はたらきをいいます。この一念に三千の諸法が具わっており、一念が三千の諸法に遍く広がることを説いたのが一念三千の法理です。
・三千の諸法ってなんですか?
三千とは、十界互具と十如是、そして三世間を合わせて総合したものです(百界×十如是×三世間=三千)。十界と十如是と三世間という、それぞれ異なった角度から生命とその因果の法則をとらえた法理を総合し、私たちの生命と世界の全体観を示したものが一念三千です。
・そういう意味だったんですね
瞬間瞬間の自分の生命に、“無限の可能性”が秘められており、自身の一念が変われば自身を取り巻く環境も変わり、ついには世界をも変えていけるという希望と変革の原理が一念三千の法理です。
池田先生は、小説『人間革命』の主題を「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」と記しています。これは、一念三千の法理の意義を現代的に表現したものといえます。
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