信心の基本

「信心即生活」――現実を離れて仏法はない

日本では一般に、信仰とは日常生活から離れた特別な世界の事柄であると考えたり、日常の生活の中でも信仰の時間と生活の時間とは別なものであると捉えたりする傾向があります。

しかし、日蓮仏法においては、信仰と生活とは、切り離して捉えるものではありません。ゆえに創価学会では、「信心即生活」「生活即信心」と指導しています。

御書には「御みやづかいを法華経とをぼしめせ」(1295ページ)とあります。この「御みやづかい」とは、主君などに仕えることですが、今日の私たちの立場にあてはめれば、なすべきこと、果たすべき役割であり、職業・仕事・生活にあたります。

したがって、この御文は、日々の生活がそのまま仏道修行の場であり、信心を根本とした自身の生き方を示す場であることを教えられているのです。

生活の場で直面するさまざまな課題に対して、御本尊への唱題を根本に真剣な努力を重ねていった時に、その現実との戦いそのものが、私たちの仏界の生命を涌現させる機縁となり、自身の生命変革の舞台ともなるのです。

また、信心で開拓した生命力、豊かな境涯を土台にして、生活の場に勇んで出ていった時、生活そのものも、おのずから変革されていきます。家庭でも、地域でも、あるいは職場でも、どこにいても信頼される人間として勝利していけるのです。